文房具52話
毎日使う文房具というものには、何かと思い出や思い入れがあるもの。
著者の言葉を借りると、
「文房具はどれもみな物である。物であっても付合いが深くなると単なる物とは言い難い。」
例えば、
お気に入りの筆箱、筆入れをお持ちだろうか?
学生の頃はいろいろ流行りましたね。
友達のがかっこよく見えて、欲しくなるんですな、これが。
年代によって違うかもしれませんが、私の頃は、
ゾウが踏んでも大丈夫でおなじみの弁当箱タイプ、扉が一つに始まって、両面になり、3面に・・・。なんと7面まであったそうな。
さらには、鉛筆が飛び出すものや、もはやそれは筆箱なのか?と思うような多機能なものまで。
高学年になると、チャック付き布製やカンペンケース。
鉛筆用と、当時流行りだした蛍光ペンやカラーペン専用の筆箱と2台体勢の子もいましたな。
不思議なもので筆箱に思いを巡らすとその当時の景色や感じていた事の断片が脈絡なく頭に浮かんでは消えていきます。
お小遣いためて買ったカンペンケース。
汗の付いた手で触ったのがいけなかったのか、まもなくサビが出始めて、がっかりしたなあ。
今回は、久しぶりに文具関連の本をご紹介しましょう。
昔は、こんな事してたんだって発見と文房具への愛に満ちた本です。
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文房具52話 [単行本]
時事通信社
串田 孫一 (著)
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著者は、詩人であり哲学者であり随筆家。
その著作は膨大な量で、山岳文学、画集、小説、人生論、哲学書、翻訳など
多岐にわたります。
ちなみに、
コクーン歌舞伎や平成中村座公演を演出をするあの串田和美さんはご子息です。
ところで、この本に登場するのは、
「帳面、ペン先、消しゴム、ぶんまわし、インキ、万年筆、糊、白墨、
小刀、定規、緑の光、鋏、手帖、画鋲、輪ゴム、吸取紙、鉛筆、下敷、文鎮
、封筒、便箋、貝光、カーボン紙、鳩目パンチ、スタンプ台、筆、
セロハンテープ、ホッチキス、アルバム、硯、朱肉、ボールペン、七つ道具、
ペーパーナイフ、テープライター、スクラップブック、鉛筆削器、机、
書棚、クレヨン、謄写版、筆入、色鉛筆、文房具店にない文房具、
原稿用紙、日記帳、丸筒、クリップ、名刺整理箱、算盤、地球儀」
それぞれの文房具について、想い出や新たな発見、工夫や悦びが語られています。
ちょっぴり古い話もありますが、当時の状況、世情が分かり大変興味深い。
著者の小学生当時(大正11年頃~)の話が出てきます。
時代は違えど、子供の思うことやることは同じ。
そうそう、そうやったなあ~。と思わずニヤリ。
かつて、
黒板が本当に「黒」かった時の事、習字の時間に余った墨をバケツにためて
小使いさんが塗ってまわったそうです。
学生にさせなかったというのが、さもありなん。
この中で万年筆関連のものをご紹介すると、
「貝光」という項では、
万年筆での書き損じを修正する道具として著者が「貝」を取り上げています。紙を削った後にこの貝でこすると目立たなくなるというもの。もちろん、商品化しているものではありません。
そして、万年筆の輸血作業というのが紹介されています。
インクがなくなった時、隣の友達にインクをもらうのですが、その際、「ペン先をくっつけて、」としか書かれていません。どこに?どうやって?
気になります。
(注:おそらく、ペン先どおしをくっつけるのではないかと教わりました。)
最後に、
「ぶんまわし」というのはコンパスのこと。
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1996年11月3刷。帯なし。カバーに少々スレ跡及び小キズあり。見返し下部に蔵書印あり。本文に目立った傷みなし。
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